【第20回 村岡ダブルフル】振り返り③

【第20回 村岡ダブルフル】振り返り③

友達からの言葉に目が覚めた私は、

スマホをしまうなり坂道を走り始めました。

ここからやらなきゃいけないことは分かってる。

 

10kmを1時間ちょっとで走り切って、

最終関門を突破する。

それだけだ。

 

そして、ここから苦しくなることも分かっていました。

2年前に参加した88km。

あの時も、この辺りから最終関門まで飛ばして行って、

最終関門を7分前に通過していました。

あの時は、友達と並走してたけど、

今回は、1人。

並走は関係ない。

ただ、前に行くだけだ。

コースも頭に入ってる。

大丈夫。

行こう!

 

上げたペースを維持しながら体の状況を確認。

足の裏が痛い。

太ももが痛い。

80km走ってきてるから当たり前。

そんなの痛いうちに入らんわ!

足が壊れてもいい。

絶対関門突破する。

去年も、第3関門を突破する時に、

そんなことを思い出していたなぁ。

走りながらそんなことを思い出して、

1人で笑っていました(笑)

 

さあ!

ここからが勝負。

ザックのポケットに入れていた補給食を

口の中に流し込みました。

立て続けに2つ入れて、

ここからの勝負に備えます。

 

途中、オールスポーツのカメラマンがいたけど、

笑顔振りまく余裕なんてない。

ただただ、先を急ぎました。

 

走っているペースは、1km5分30秒~5分45秒をキープ。

ここの区間は、下り基調ではあるものの関門が近づくと、

ほぼ平坦になる上に、緩い上りになります。

それを考えると、飛ばせる下りは飛ばす。

着地のたびに、太ももが痛む。

足の裏も痛い。

でも、そんなの構ってられない。

 

しばらく走っていると、

前を同じペースで走る男性ランナーがいました。

少し後ろを走っていたのですが、

しばらく経ってから横に並んだので、

「関門突破目指していますか?」

と、聞いたら

「はい!」

と返事が返ってきました。

 

このタイミングで同じ思いで走れる人がいるのは、

すごく心強い。

声を掛け合わずとも、ここから共に走って行くことに。

 

そして、その方とこの先のルートと経過時間を確認。

この先の平坦&緩い上りでペースが落ちるのを見越して、

走れる下りの区間は時間を稼ぐ作戦でした。

私と一緒だ!

 

気持ちにも足にも力が入ります。

経った今、初めて会った人なのに、

今ここでは共に激走する戦友な気分です。

でも、そんな人がいるだけでほんとに助けられました。

 

二人で関門突破に向けて黙々と走って行きます。

下りとは言え、足よりも私は呼吸の方が辛かった。。。

元々心拍が上がりやすい私は、

下りを走っていても心拍数が170を超えている時もありました。

走っている時間が長時間になっているのも要因としてあるのだろうけど、

心臓も疲れているんだろうなぁ。

それが分かっていても、

このタイミングで足を緩めることは出来なかった。

 

本当に苦しくてあえぐような呼吸を繰り返していた。

途中、何度も「息がキツイ…苦しい」

そんなことをずっと思ってた。

下りが終わって平坦区間に入ったら、

緩くて短い坂が見えてきた。

いつもなら問題なく走れる坂なのに、

ここでは歩かせてもらった。

歩きを入れることで息を整えたかった。

 

平坦になったらまた二人で走り出す。

距離表示の看板が見えました。

「あと4km。時間は大丈夫。間に合うよ」

男性ランナーの方が、

そう言ってくれました。

 

残り3kmの看板が見えた時。

男性ランナーの方が歩きながら言いました。

「ここまでくれば、キロ9分でも間に合うから先に行って!」と。

 

その歩く姿を見た時。

左の足を引きずっていました。

「足が痛かったんですか?!大丈夫ですか?!」

私がそう言うと、

「あぁ…大丈夫なので、先に行って下さい」

「嫌です!ここまで来たのなら関門は一緒に突破しましょう!!」

と、先に行くのは断りました。

 

少し行くと、エイドに到着。

ここでは、お好み焼きが食べれるんですが、

コーラだけを飲んですぐに出発。

目指すは最終関門突破のみ。

 

ペースは、多少落としつつも共に走って関門を目指します。

その頃から、逆走するランナーを見かけるようになっていました。

勇者の道・120kmを走るランナーの方でした。

ここを走るランナーの方は、

すでに100kmを走り終えて、

ラスト20kmを走られている方たちでした。

 

120kmを走る皆さんを見ていると、

私の苦しさなんて大したことないじゃん。

そんな気さえしてくる。

 

でも、足は確実に疲労していて、

下りを飛ばしたことによる痛みが顕著に出ていました。

着地のたびに太ももも足の裏も痛い。。。

その足の状態なので、

キロ6分台後半がやっとでした。

関門まであと3kmの看板が見えてから、

次の2kmの関門までの時間がとても長く感じられました。

あと1km。

エイドまで500m。

 

目の前にエイドが見えた。

時間を表示する看板も見えた。

それを見た時には、本当にほっとしました。

間に合った!

良かった。

 

つい1時間前までは、

最終関門突破を諦めていた私が関門を突破。

何だか不思議な感じがしました。

 

でも、ここがゴールじゃない。

あと、8.8km残ってる。

しかも、一山越えなきゃいけない。

気持ちを入れなおした。

それが分かっているから、

エイドでは、コーラだけ飲んで出発。

 

エイドを出発してすぐに、

勇者の道を走っていたお友達2人とのすれ違い。

声を掛け合うと元気が出る。

よし、行こう!

 

最後の上り坂に向かいます。

2年前の時は、ここの坂を3人で登りました。

馬上さんは、私と同じところをぶっ飛ばしたおかげで、

ここではぐったりと歩いていました(笑)

そんなことを思い出しながら、

今年は一人で黙々と上りを歩いて行きます。

辺りは、だんだんと暗くなってきました。

前後するランナーの人たちもライトをつけ始めました。

 

黙々と坂を上り続けました。

村岡は、最後の最後まで坂・坂・坂。

好きでエントリーしたんだけど、

もう、坂でお腹いっぱいです。。。

そんなことを思いながら、

ゆっくり坂を上っていると、

後ろから名前を呼ばれました。

男性ランナーの方で120kmに参加されている方でした。

「覚えていますか?」

と、聞かれて、

「いや、分かりません!」

と、速攻お返事(笑)

お話を聞くと、今年の萩往還140kmで少しの間並走したランナーの方でした。

防府往復区間で、コースが分からなくなっているところを、

私が助けてあげた時の方でした。

「おぉ~!覚えていますよ」

その状況を聞いて、すぐに思い出しました。

こんなところで再会できるなんて思ってもみなくて、

本当にびっくりしました。

 

後姿で私だと気が付いたことが不思議で、

後でお話を聞いたら…

「見たことある後ろ姿だったのと、

ナンバーカードの山口県を見てもしや!と思ったんです。

それで、顔を見てすぐに分かりました!」

とのことでした。

ウルトラは、前後にナンバーカードつけるんですが、

こういう時に役に立つんですね♪

 

人とお話ししていると気は紛れるけども、

1人になると、重めの空気が自分の周りを漂います(笑)

辺りが暗くなってきたのもあるけど、

もう、足が痛くて。。。

 

ここまでくると諦める気持ちはなくて、

早くゴールしたい。

早く楽になりたい。

その気持ちだけで、ゴールに向かいます。

 

上りも終わり、やっと下り坂に。

ここを下りきったら、ゴールの村岡小学校です。

下りで走ろうと思ったら足が痛い。

太ももに痛みが走ります。

 

でも、ここで歩いていたらゴールに間に合わない。

ゆっくり少しずつ走ります。

痛みがあって、キロ8分がやっとでした。

後ろから抜かされるランナーをふとみたら、

120kmにエントリーしていたお友達のTさん。

余裕綽々で下りを走って来ます。

「すごーい!!余裕だね」

と、声を掛けると、

「うん♪なんか全然余裕なんよね♪」

そんなこと言っています(笑)

「ゴールまであと少し。

先に行って行って!」

と、声を掛けて先に行ってもらいました。

軽やかに走る後姿を見ていて、

私より20km多く走っているようには見えないなぁ…

そんなことを思っていました。

その後も、120kmに参加しているお友達に抜かれました(笑)

勇者の道を走る人たち、

本当に凄いわ!

100kmをギリギリで走っている私には、

勇者なんて無理だなぁ。

そんなことを思いながら走り続けます。

 

何かを考えておかないと、

辛いことばっかりにフォーカスしちゃいそうで。

でも、他のことを考えようにも何も浮かばない…

(-_-;)

 

痛みをこらえながら、

ゆっくり走ります。

残りの距離表示が、

3km、2kmと残りの距離が減って行くたび、

14時間近く走ってきたことを思い返していました。

 

1人で走っているようで、

1人じゃなかった。

共に走ってくれる友達がいて、

ゴールまで帰ってこれました。

 

あと、1km

 

私の長かった14時間の旅もあと少し。

ゴールの村岡小学校が見えてきました。

ライトで照らされていてとっても明るい。

去年は、収容バスで回収されたあと、

ゴールするランナーたちをやるせない気持ちで見送っていました。

去年、走れなかった100km。

自分の足で走って帰ってこれた。

思いがじわじわ込み上げてきます。

 

グランドの中にゴールが見えます。

ゴールゲートのそばに、

先にゴールしていた友達の姿が見えました。

「おかえりー!」

って言っててくれたと思う。

その時には、もう泣いててよく覚えてなくて。

冷たくなった友達の手にハイタッチして、

歩いてゴールゲートに向かいました。

 

13時間54分54秒

 

私の100kmの旅が終わりました。

ゴールして少し経つと、

会場が真っ暗になりました。

それは、花火が上がる合図。

会場に花火が上がりました。

去年は、花火も見ずに会場を後にしていました。

今年は、ゴールラインを切ってから、

花火を見ることが出来ました。

 

辛かった100kmだけど、

終わってみれば楽しかった100km。

今回も、泣いて笑っていっぱい走って、

たくさんのお友達に出会えました。

 

筋肉痛も癒えていないのに…

また100kmの旅に行ってきます。

どんな経験が出来るのか?

筋肉痛が残っている足で、

100km走れるのか?

色んな意味での限界に挑戦してこようと思います。

 

村岡ダブルフルの振り返り。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

次回は、【装備編】を書きたいと思います。

私は、何を持って走ったのか?

どんな練習をしてきて、今年完走できたのか?

それをお伝えしようと思います。

村岡ダブルフルの振り返り、

もう少しお付き合い下さい♪